小林栄蔵(?) 戦前作
相変わらず、つたない写真で申し訳ありません。
古くて黒くなったこけしは、撮影が本当に難しいです。
こちらは、骨董市で知り合いの業者さんに、「吉兵衛だよ」と言われて、
古い山形系は間違いないけど、吉兵衛ではないよね。と思いながら、購入したものです。
胴底に、鉛筆で「小林吉兵衛」と記入があるので、業者さんがそう言ったのでしょう。
小林栄蔵の作だと思うのですが、どうでしょうか。
こちらが、全体です。光ってます(*_*;写真は撮り直したいと思っています。
山形系 小林栄蔵(?)作、一尺。
栄蔵は、時代によって描彩に変化が見られ、昭和10年頃までのたれ鼻のものが評価が高いようです。
昭和15年頃の作が、「こけしの美」に掲載されていますが、このこけしは、それとも少し違いますね。
特徴として、“頭頂に描かれる墨の線は勢いよく、ツンゲまで突き抜ける…”と、「こけし辞典」にあります。
このこけしも、ツンゲのすぐ上まで墨の線が描かれています。
続いて、こちらも同じく栄蔵と思われるこけし。六寸です。
胴底に、「17.6.20 山形」との記入がありますので、昭和17年に購入されたものだと思われます。
先日、「茶房たんたん」で購入しました。
これは、先輩方が「栄蔵だ」とおっしゃっていたそうなので、きっとそうですよね。
上のこけしと、同じ頃に作られたものではないかと思います。
栄蔵の年代変化がわかる資料があったら、どなたか教えていただきたいです。
正末昭初:たれ鼻、面描太く豪放で力強い胴模様粗く、簡略化
昭和15年前後:面相細く弱い
昭和30年前後:面相甘く眉が垂れる、胴模様細かく、胴いっぱいに描かれる
「こけし辞典」を参考にまとめてみましたが、
どうも、栄蔵工人のこけしは、本にあまり掲載されていません。
「素朴さを失った」などと評価されて、初期のもの以外には注目されていませんが、
時代に合わせたこけしを作る、器用な方だったのでしょう。と、どなたかが書かれていました。
小林家、米沢系列、昭和20~30年、新型すれすれ、という私の興味のあるところに、
ひんぱんに出てくる工人なので、研究してみたいと思います。
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